MACHINES GALLERY

Porsche 908/02 Flounder LH Driven by Jo Siffert
( 1969 Le Mans 24 )
1/24 Scale Resin Body
 1969年は、日本モータースポーツ界にとっては最高に盛り上がったシーズンだったように記憶しています。
69年5月のJAFグランプリ。初めてフォーミュラカーがメインとなったイベントで、TETSUが三菱とワンポイント契約を結び出場、ファンを魅了。続いて10月に開かれた日本グランプリは、T.N.T、すなわち、トヨタ、ニッサン、タキレーシングの激突に沸いたグループ7のレース。さらに、1ヵ月後の11月には第2回日本CAN-AMが開かれるという過去に例のない私たちレースファンには応えられない1年だったんです。
しかし、FIA世界マニファクチャラーズ選手権に目を移してみると、規定改定で3リッタープロトと5リッタースポーツカーの対決となり、なんとなく盛り上がりに欠けたシーズン感じで、どうしても北米大陸で開催されていた大排気量マシンが活躍するCAN-AMシリーズの方が気になってしまう、そんな年でありました。
あの伝説の5リッタースポーツカーの対決“フェラーリ512S VS ポルシェ917”で沸くことになるシーズンの1年前のことですが・・・。

 そんな1969年に、鳴り物入りでマニファクチャラーズ選手権に参戦してきたポルシェ917は、スポーツカー規定の25台生産を終えたばかりの状態。シェイクダウンもままならない状態でル・マンに参加したのはいいのですが、スタート後1周目に悲劇が起きてしまう。917に乗っていたプライベートドライバーのジョン・ウルフがクラッシュし、即死してしまったのです。予選1位の917も完走出来ず、念願のポルシェの優勝は来年以降に持ち越されることとなりました。
そんな中、ワークス・ポルシェの期待を一心に集めていたマシンがありました。それが、耐久性を誇る908の最強最速マシンと言われた“ポルシェ908/02 Flounder LH”だったのです。ドライバーは、エースのジョー・シファート。まさに優勝候補ナンバーワンの組み合わせでした。

  今回は、このレジンボディを使ってその車を再現してみようかと思います。
LHの特徴でありますロングテール、そして、垂直フィン、フロントにも小さなスポイラーが付きます。
クリヤーパーツも作り直してバキュームで製作。インナーホイールは、付属のものは精度が悪いためユニオン917Kのものを使用し、特徴的なバックミラーは、エポキシパテで、エアファンネルカバーはプラバンでとそれぞれを工作しました。

 まず気がついたことは、表面が荒れていたこと、両サイドがレジン独特のヒケが起きており、熱湯で内側向くように修正し、サンドペーパーで全体を研ぎだしました。

修正後、サフェーサーを吹き、白を吹きかけて十分乾いたところで、フロントカウル、リア垂直フィン、リアエンドにマスキングをして明るいグリーンを吹きかけました。使用したものは、すべて市販の缶スプレーです。

 十分乾いたところで、デカール貼りです。
ところが、意外とこの車のカラー写真がないのです。
さらに、右サイドからの写真やイラストはあるのですが、左サイドの写真がありません。右も左も同じだろうと高をくくっていたところ、69年ル・マンのビデオに新事実が・・・。
左サイドは、左の写真のようにちょっと違うことがわかりました。
また、HART SKIの文字の色もどう見てもビデオでは黒にしか見えませんでしたので、今回はインレタを使った黒文字で作ることにしました。

 最後に1つ心残りがあります。
特徴的な908のエキゾースト先端を再現することが出来なかったことです。
とりあえず雰囲気と言うことでお許しください。

 


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(C) Photographs, textreport by Bon Makino.