THE SPECIAL REPORT OF MODEL SPEED LIFE 
IT BECAME LEGEND ------.
"THE FORD GT 40 OF LS"
by T.S.
 60年代モデルカー・レーシング時代において私が少ないながら当時手に入れることが出来た思い出のキットたちを紹介するのがこの新しい企画ページであります。
第1弾は、1990年代までその名前を残しつづけた偉大なるメーカーであった“LS”の「フォードGT40」を紹介したいと思います。
そして、このフォードGTの製作レポートを担当して頂いたのは、以前「コグレ製 トヨタ・スポーツ800 レストア記」、「デイトナ・コブラ登場!!」などでお馴染みのT.S氏であります。
 さて、T.S氏のレポートを見ていただく前に、1966年に発売されましたLS製フォードGTとはどのようなキットだったかを振り返ってみましょう。
当時のバイブル誌だった1966年発行「モデル・スピードライフ」誌4月号に丁度製作記事が載っておりましたので、再び引用活用させて頂きながら紹介したいと思います。

TOP : The FORD GT's report of Model Speed Life in 1966.
 モデルレーシングカー シリーズNo 2
■エルエス製 1/24スケール ■FT-16, 16D, 36, 36D使用
FORD−GT
フォードGT
規格
縮尺 1/24
全長 172mm
全幅 76mm
全高 46mm
ホイールベース 98mm
モーター FT-16, 16D, 36, 36D
コレクター スイングアーム式
特長 プラスチックケースは、完成車を2台飾ることが出来ます。
価格 モーター別 800円
 エルエス製 FORD-GT ハイスピード工作(1966年発行「モデル・スピードライフ」誌4月号よ引用活用させていただきました)”
 
 世界最大の自動車レースである“ル・マン”に殴り込みをかけたフォードGTはあまりにも有名であり、現在まで各レースに出場し、多くの新記録を生み出しています。
 エルエス社から発売になったこのフォードGTは、4.7リッタープロトタイプで、プロポーションが非常に良く軽量であり、ちょっとした手の加え方で見違えるほどのレーサーになります。
 気がついた点を指摘しながら、写真によりチューニングアップをしてみたいと思います。

 1) モーターは軽量で回転の上がるFT-16Dを使います。キットに入っているクラウンギヤは32枚ですが、モーターの性能からみて、36〜40枚ぐらいの真鍮製が良いと思います。モーターを空転させ、回転の良い方を確かめてから、クラウンギヤの向きを定めます。

 2) 走行テストの結果、後輪がコーナーで粘りすぎてしまいます。なるべくウエイトは付けたくありませんので、後輪に柔らかいスポンジタイヤを使用してみました。直径は28mmぐらいが良く、ホイールにあったものを選んでください。
 ホイールキャップは、はずれやすいので必要なく、黒のツヤ消しを塗ることにより非常に感じが出ます。スポーツホイールも現在発売されているので、これを利用すれば申し分ありません。

 3) コーナーでのふんばりの効くように、スイングアームを一番前にもっていきます。

 4) スイングアームが一番上にあがった場合、溝の中にガイドが2mmしか残りませんので、この場合ガイドウエイトだけでは、アームの効果があまりなく、非常にはずれやすくなっています。ガイドのストッパーを下に曲げ、アームが一番上にあがった時でも、コースの溝の中にガイドが5mmづつ切り取り、また金具を叩き込んでおきます。

 5) ボディはまだ低く下げられる余地があります。まず後部のマウント金具を抜き取り、柱を5mmづつ切り取り、また金具を叩き込んでおきます。

 6) このままではフレーム後部がボディのマフラーの部分にあたってしまいますので、切り込みをつけ曲げておきます。

 7) 前部は取りつけ金具をさらに下方に下がるように曲げ直します。
 これで相当ボディが低くなったわけですが、このままですと後輪がボディに当たってしまいますので、ホイールアーチを削り込む必要があります。ル・マンに出場しているフォードGTは相当深く切り込んでありますので、実車のイメージを損なわないように注意して削りましょう。

8) ドライバー席は紙に取り替えます。なるべく腰のある軽い紙を使いドライバーのみ切り取って乗せます。ボディには、セロハンテープで簡単に貼りつけます。

 これで簡単な改造は終わったわけですが、欲を言えばフレームが非常に薄いため、細かい振動がボディにまで伝わり、あまり感心出来ません。ボディマウント方法を変えて、ボディとフレームの取り付けの間にスポンジを入れるなどの方法を用いることにより更に性能の向上をはかることができます。

 


TOP : The '60s 1/24 scale FORD GT of LS.
(C) Photograph, modeling  by T.S

TOP : A LS's GT40 with frame.
(C) Photograph, modeling by T.S
 “はじめに・・・” 
 以前「ヨタ・ハチ レストア記」を書かせて頂いたSです。先日、新着のLSやCOXのFORDGTをいじっていたら、前のヨタ8のように、もう1台作りたくなってきてしまいましたので、またまたレストア記を書かせていただくこととなりました。
当初手持ちのLS製オリジナル・フォードGTのレストア?とも思いましたが、あまりに私好み(?!)の当時の小学生的な完成状態だった(特にデカール)ので、もったいなくてとてもいじれません。
そこで再販されていたLSのフォードGTを使い兄弟を作ってやらねばと思いたち、製作を開始した訳です。ボデイーはプラモのLS。(なんと3台目。COXフォードGT用やレストア用のパーツ取りや数々の失敗なども含め)シャシーはCOX製ブラス製パイプサイドワインダーとマグホイール。座席はCOXフルフィギュアーを使いました。
さて、どんなものが出来上がる事か・・・・。

TOP : 1)FORDGT40 OF LS and Cox's driver(Leftside). 2)A cox's brass pipe frame(Rightside).
 LS FORDGT40製作記 
 ひょんなことから我が家にやってきたLS FORDGT40を手本にLSプラモボデイーを使ってもう1台兄弟をあらたに製作することになりました。
オリジナルシャッシーをもう1台探すのは、さすがに困難で、手元にあるものを使います。また、ボデイー関係もオリジナルと同じではつまらないので、オリジナルの上げ底コックピットに対して、フルフィギュアーが乗るものとします。したがって、シャシーはサイドワインダー式となります。
ボデイーカラーはいつものように実車にこだわる事無く、選択する予定。
早速、今回の企画に合うものをピックアップしてみました。

TOP : 3)COX's brass pipe frame(NO.3920).
 *ボデイー関係(上左画像-1)                 *シャシー(上右画像-2と3)
 LSプラモ本体。COXGT用フルフィギュアー。   COX3920パイプサイドワインダー。ただしリアホイール
 カラースプレイー(2種のうちどちらかつかう。)   はキットのねじ式をテーパーGT40用に交換。
 デカールはオリジナルに似たものをチョイス。   タイアは前輪はCOX。後輪はストックが無いため、*モデル*製。
 タミヤR380用ブルーストライプ。          
 

 カラーは2種類のうち、迷いましたがMr.COLORのライトブルーに決定。*ドイツ機下面色*と書いてあります。
却下されたほうはTAMIYA COLORのインターミデイエイトブルーでやはりワイルドキャットやコルセア用。アメリカ海軍機用です。どうやらFORDGTには軍用機色がお似合いのようです。
もちろん、プロモデラーはコンプレッサーで調合したものをぬるんでしょうけど***アマのわたしにはスプレー缶がイージーです。
シャシーはCOXの3920と言う型番のもののリアホイールとタイア(スポンジ)だけかえました。モーターは16Dです。ギアはCOXかMEIJI。
ゼッケン、デカールも一応ピックアップしましたがなにも貼らないほうが良いような気もしてきました。

TOP : The '60s FORD GT by LS(Leftside).
The '90s second edition FORD GT by LS with cox's frame(Rightside).
 TOP : The second edition GT40(Leftside) and '60s GT40. The #9 looks like a 1968-69's Gulf GT40.

TOP : Front style looks like a 1965's GT40 at Dytona.

TOP : The simple is best!! '60s GT40.

TOP : The originator LS's GT40 frame(Leftside).
The second edition LS's GT40 and Cox's pipe frame.

TOP : Rearend GT40 brothers, or a parrent and child!?

TOP : A original driver figure by LS.

TOP : A cox's full driver figure.

TOP : '60s first FORD GT's style.

TOP : The end of GT40's style.

TOP : Top is original FORD GT of LS.
Bottom is a second edition GT40 of LS.
あらためて2台をくらべてみると、細かい部分で差異があり、おもしろいです。新作のLSはもちろん再販ものです。
COXのシャシーのボデイー止めの横ステー?パイプが長いため、むりやりはめこみボデイー下部がふくらんでいますが幅はオリジナルと同じです。
by T.S

TOP : LS'sFORD GT40 with COX's pipe frame.
  以上T.Sさんのレストア記いかがだったでしょうか。
 T.Sさんの作品を毎回拝見させて頂きながらいつも思うのですが、本当にほのぼのとした作風で、つい私の大好きだった漫画であった西岸良平氏の「三丁目の夕日」を思い出さずにはいられません。私も以前はリアルな仕上がりとか細かいところへの拘りがモデルカーの全てのような錯覚にいたっておりましたが、今T.Sさんの作品を見させて頂くと、そのモデルカーが本来持っている個性こそが本来拘るべきところだったのではとあらためて感じさせて頂いた次第です。
 ところで、上記2台を比べてみると初代フォードGTについては、ほとんど良き60年代のモデルカー・レーシングそのものであると思います。他のキットとの差別化を図るためにLSはパッケージそのものをモデルカーケースとしたことが特に印象に残っています。サーキットに通う当時の少年たちにとってそのアタッシュケース風モデルカー用ケースは優悦感を与える玉手箱そのものでありました。
キットそのものは、FT-16, 16D, 36, 36Dが使用出来るというものでしたが、ほとんどの子供たちは手持ちの16, 36を使用したのではないでしょうか。やはり当時のお金でFT-36Dの350円は高かったです。
 キットの印象としては、キットについているゴムタイヤはタミヤのエルバなどがすでに発売されていたことを思えば時代遅れであり、シャーシー自体もトップを狙うにはポテンシャルが低く、やや発売時期を逸したモデルだったのではと思われます。それだけ当時のタミヤの進歩は目を見張るものがあったと言うべきなのですが・・・。
 そういえば、「モデルカー・レーシング時評」でおなじみのDr.K氏が昔LSのボディを使ってCOXのフォードGTもどきを作られていたのを思いだしました。LSのフォードGTは基本的にCOXのパクリだったという噂がありましたが、あらためて見させて頂き「なるほど!」という感じにさせて頂きました。
いずれにしましてもT.Sさん本当にありがとうございました。
編集長



 

(C) 01/JULY/2001 Photographs by T.S.
(C) 01/JULY/2001 Text report by Hirofumi Makino.