A SPECIAL REPORT OF MODEL SPEED LIFE 
IT BECAME LEGEND !! 
 つににベールを脱いだ 
異色の“モデルカー・レーシング”
童友社製 GOKART(ゴーカート)

THE FIRST KART CHAMPION SHIP OF ASIA IN 1965
 60年代モデルカー・レーシングを振り返って見ると、とっても面白いKIT達を見つけることが出来ます。
例えば、“宮沢模型製 オール・ブラス(真鍮)製 1/24スケール「ロータス・フォード」”、“山田模型製 ステアリング機能付き 1/24スケール「ロータス30」、さらに、通常のレース規約には該当せず公式レース出場が不可能なファニーカー・タイプでありながら発売に踏み切った“日本模型製 1/24スケール「マンタレイ」”、そして、ブレーキ機能を理論的に解釈し製品化した“童友社製 1/24スケール「アストンマーチンDB5」”など数え切れないぐらいの面白いといいますか奇想天外と申しましょうか、私は、それらは60年代の各モデルカーレーシング・メーカーの思い入れが感じられる良き時代のスロットカー達だったのではなかったかと今さらながら思っております。
 上の画像は、山田模型製1/24「ロータス30」。「出タ!! ヤマダのレーシングカー スリルとスピードの王者!」というキャッチ・フレーズには笑ってしまいました!いや〜、車高が高かったな〜?!

 右上の画像は、童友社製1/24「アストンマーチンDB5」の特許ブレーキ装置。
 これぞ「王者!」という重量感たっぷりの宮沢模型製「ロータス・フォード(ロータス29)」であります。
宮沢模型製「ロータス・フォード」については、別企画ページで御紹介する予定です。
(C) 23/OCT/2000 Photograph by T.S
 さて、今回御紹介するのは、これまた当時「なんでこんなクルマ(?!)を出すの?」と思わず首を傾げてしまいたくなるような面白モデルカー・レーシングの筆頭だったと言っても過言ではない ノン・スケール 童友社製「ゴーカート」であります。

 上の画像は、私が所有しております(珍しい事です!笑)童友社製 ゴーカートKITの箱と組立て説明書であります。
なんとも当時を思わせるパッケージ・イラストであります。当時のゴーカートと言いますと私などはどうしても遊園地にあるゴーカートをイメージしてしまいこのようなレースが当時から行なわれていたことなどこれっぽっちも知らなかったわけでありますから、このKITが模型屋さんに展示してあってもまったくといって良いほど興味を示さなかったのが真実でありました。
ところが、当時の資料をさぐって見るとなんと海外にも“ゴーカート”のモデルカー・レーシングが存在していたのです。それは、イギリスの古参メーカーであるスケーレックストリック社製1/32スケールのモデルでありました。
さて、右の画像は、1960年頃に撮影されたと思われる今は無き“谷津遊園地”にありました“ゴーカート”であります。必死にステアリング操作をするドライバーは、恥ずかしながら主宰者の私です。しかしどうでしょう、当時の遊園地の人気物だった“ゴーカート”は実に味があってカッコ良かったなと思わず見いってしまいます。
 
 ところで、今回の「ゴーカート」について述べられている資料は残念ながら私の手元には残っておりません。ということでこの企画を作るに当たって私は、一つの決心をする事にいたしました。
・・・と申しましてもたいした決心ではなく、ただ私が27年振りにモデルカーレーシングを作らさせて頂くというただそれだけのことであります。
しかし、この27年という年数は私にとっては予想以上に大きな壁であり、当時の作り方しか知らない私がいったいどれだけのことが出来るのかが問題であります。それこそ、誰々さんに頼み込もう・・・と、何回思ったことかしれません。
という訳で、いろいろ考えたあげくの決断で私が作ってその模様をレポートするという原点に戻った企画ページを作らさせて頂くことにいたしました。そして、くれぐれも出来あがりに関してのクレーム(?!)は皆様の胸の中にしまっておいて頂くと言うことでよろしくお願いいたします。
話しは変わって右の画像は、私が小学校5年4組(?!)だった頃、一生懸命大学ノートに少年雑誌掲載のモデルカーレーシング広告を貼りつけていたあるページであります。それになんと童友社製「ゴーカート」がデ〜ンと貼られていたのでありました。完成写真が非常に少ない「ゴーカート」としては、黒白写真でありますが、非常に貴重なものだと思われます。
ここには、この「ゴーカート」のスケールを1/24スケールとサインペンで書いてありますが、まったくの勘違いであります(実際は、ノン・スケールだと思われますが・・・)。どうか小学生のいたづら書きということでお許し頂ければ幸いです。
そういえば、下に写っております青島文化教材社(略してアオシマ)の「フォードGT」と「フェラーリ(フェラリーと書いてありますが・・・笑)GT」がなんとも懐かしいです!
余談ですが、確か、私は、このフォードGTを買ってなんらかのシャーシを取りつけた記憶を今思い出しました。後で思ったのですが、このフォードGTは、まるで「K&B」社製にそっくりでありました。そして、もう1つの「フェラーリ(250GTO/65)」もしかりであります。ところでこのアオシマの2台は、モデルカーレーシングではなく、モーターライズカーとして発売されておりました。
当時のこのキットのキャッチ・フレーズがまた面白い!

★どこでも ★ホームサーキットでも ★レース場でも楽しめる ★新発売!
フォードGT 1/24 ← 走る → フェラリーGT 1/24
アオシマ
あんた知ってる! 3つの楽しみ!
(1)このキットはフリーレーサーでモーター13 1個 単3電池2本使用 どこでも走ります。
(2)このキットは付属の部品をつけると家庭サーキットでも電池で走らせることが出来る簡単なレーシングカーです。
(3)このキットは市販されているシャーシ車体を取り付けると家庭用サーキットやレーシング場でレーシングカーとして楽しめます。


 なんとも中途半端なモーターライズキットでありますが、当時このキットで300円しておりましたので600円出せばちゃんとしたモデルカーレーシングキットであった 長谷川製「ディーノ166P」が買えたことを思えばなぜにアオシマがこのようなモーターライズカーを出したのかが不思議でなりません。
しかも、モーターライズカーにガイドシュ―つけてサーキットを走らせたらカーブで暴走しますよね!ボルト数も違いモーターが焼ききれて完全にいかれると思うのですが・・・。皆さんはどう思われるでしょうか。
 前置き少年と最近は皆様に言われておりますが、お待たせいたしました、まずは童友社製「ゴーカート」キット内容をご覧頂きたいと思います。
 キットの中味であります。
欠品は、シャフト2本、クラウン・ギヤ、そして、付属のゴム・タイヤが劣化しており、使えません。
その他は、メッキ部品も綺麗な状態で、ブラス製シャーシーも腐食しておらず使えそうであります。
 ボディ部品を並べてみたものです。
空冷エンジンのフィンが当時の技術では再現されておりませんが、今回はこのまま組み立てて行くつもりです。
 左の画像は、ドライバーとエンジン部のパーツであります。
ドライバーに関しては、いろいろ候補がありましたが、TETSUさんに乗ってもらう事にいたしました。

 右の画像は、シャーシーとホイール、タイヤ等のフレーム・パーツであります。
タイヤは、もちろん劣化がひどい為使用できず、今回は、当時使いやすさで人気のあった“ニチモ製ゴム・タイヤ”を使う事にいたしました。
 それにしても、1965年発売のこのキットはすでに“スイングアーム”が標準となっているのにはビックリいたしました。


 
 


 

 

 さて、シャーシの組立てであります。
細かい作成手順は省かせて頂きますが、このシャーシの組立てポイントとしては、明らかに後付けされた“スイング・アーム”の支点の取り付け部分ではないかと思います。
モーターである「マブチ FT−16」を取り付けながらスイング・アームの支点のパイプを取り付けなければならず当時の小学生では少々無理があるのではと思ってしまいます。
さらに、スイング・アームに付属する“スプリング”も同じに付けなければならず、今の私でさえ何回もやり直すほど難しい作業でありました。
 上の画像は、シャーシを裏返しにしたものです。
スプリングがかなり強く、このようになってしまいます。
当時は、このスプリングを外して“ウエイト”を付けることが良いとされておりました。私の経験から、ウエイトに取り替えた方が走行中は良い結果が出たような記憶があります。
 ところで、このシャーシは、同社の「BRM F-1」「LOTUS FORD」などと同じ物であり、この後発売される「アストンマーチンDB5」などに付いておりますシャーシとは、まったく違うものでありました。
 再度から見たシャーシであります。
タイヤ径の大きさが少々気になりますが・・・。
写真を見ると何とも無いようになっておりますが、実はホイール幅の狭いことが災いして、結局当てにしておりました“ニチモ製ゴムタイヤ”の幅がオリジナルホイールより広く、装着することが出来ませんでした。
そこで仕方なく手持ちのタイヤで間に合わせることにしました。
 今回大誤算だったのは、この部分であります。
当初、このキットに入っておりました“プレス・クラウンギヤ(オリジナルではない)”は、イモネジ部がギヤ歯の内側に位置するタイプのものでした。しかし、モーターのピニオン部と干渉してしまい上手く装着することが出来ませんでした。
そこで、知り合いのK氏に相談したところ、外側止めのナイロン樹脂製クラウンギヤなら合うだろうということで、お願いして譲って頂き、無事事なきを得ることが出来ました。
 この写真を見ていただくと分かる通り、このシャーシは、元々“スイング・アーム”付きのものではなかったことが分かります。
ところが、ここで大きな組み立て違いをしていたことが判明いたしました。
フロント部の取り付けを上下反対にしてしまっておりました(笑)。
しかし、よく考えてみたらナイロン・スペンサーで補えることではありますので、あえてこのままで組み立てていきたいと思います(主宰者の身勝手なやり方にお怒りの方もいらっしゃるとは思いますが、お許しください)。
 

 
Vol.2へ続く


 
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(C) 23/OCT/2000  Photographs, text report  by Hirofumi Makino
(C) 23/OCT/2000 Special thanks photographs by T.S
(C) 23/OCT/2000 Special thanks photographs by Dr.K