“いとしのローラ”(60‘s モデルカー・レーシング編 PART 2)
1967年「第4回日本グランプリ」でわが国に初登場した“R.クラーク”が乗った“ローラT70”を作ろう!
 “いとしのローラ”モデルカー・レーシング編第二弾が早くもUPです。
今度は、ちょっと趣向を変えて1967年に科学教材社発行の“モデル・スピードライフ”8月号に掲載されておりました「“タミヤ製ローラT70”のボディーを使用してあのR.クラーク(ドン・ニコルズがドライブした)が乗ってわが国に初登場を果たしたグループ6仕様の“ローラT70MKII”を再現してみよう”」をまたまた引用させていただき特集してみました。
上の写真は、1967年発行の“モデル・スピードライフ”8月号の表紙であります。
#14が今回のテーマであります“R.クラーク(ドン・ニコルズ)”の“ローラT70MKII”です。本来CAN-AMレース用に設計された“グループ7(排気量無制限、2座席フォーミュラ規定)”を日本グランプリ規定(グループ6 公道走行可能装備が必要)に基づき改造した結果がこのようなスタイルとなったわけでありました。
ところで、この写真右手の#10は、なんと高橋国光ドライブで総合2位となった“ニッサンR−380II”をかたどった改造モデルであります。
このニッサンは、驚くべきことに田宮模型が当時発売しておりました“キングコブラ”と“ポルシェカレラ6”の合体モデルなのでありました。フロントが“キングコブラ”、ウインドウからリアエンドまでが“ポルシェカレラ6”なのであります・・・。良き時代の特集でありました。
 
 “去る5月3日、第4回日本グランプリが、快晴の富士スピードウェイでおこなわれ、注目の日本GPは3台のポルシェ・カレラ6とニッサンR380IIの激しい決戦となりましたが、その中に濃紺と黄色のモディファイしたローラT70が2台力走、シボレーの5,500ccという大馬力のマシーンを乗せ、コースに不慣れのせいもあってか、コーナーではパワーが余ってスピンの連続でしたが、メインスタンド前の直線では、カレラ6やR−380II を抜くという場面も見られ、ゆうに300km/hは出ていたことでしょう。
 今回はタミヤ製ローラT70のボディーを使って、R.クラークの乗ったゼッケン#14の車に改造してみましょう。
ーなぜ改造が必要なのか・・・ローラT70は2座席レーシングスポーツであり、スポーツ法典のJ項のグループ7に属するので、日本GPはグループ6のプロトタイプなので、ウインドウシールド、トランクスペース、スペアタイヤを装着しなければならないのですが、モデルでは外見上から追求してみました。
▲必要材料・・・・・・タミヤ製1/24“ローラT70”の組み立てキットまたはボディー、それにプラ模型の組み立てキットに入っている透明のプラ板を準備します。
 
左上から
1)プラ模型の組み立てキットなどに入っている透明のプラスチック板を、図のようなパーツが取れる大きさのものを用意してください。
 なお透明なのはウインドウグラスだけですから、他は不透明でも良いでしょう。下敷きでは厚過ぎます(・・・この表現には笑ってしまいました!)。
2)ボディーのウインドグラスの止め穴、右後部のガスコックの穴は、ピラーパテ(プラスチック専用パテ)またはラッカーパテで埋めて、まる一日置いたら目の細かいヤスリで磨き平らにします。
下のページに移ります。
3)フロントグリルの下につけるプラスチック(A)は、スタービライザーといいますが、またリヤ―エンドのスポイラー(D)を図のように曲げたら、ボンドで接着します。
さてフロントウインドを付ける前に、コックピット内をつや消しの黒で塗り、スーツは明るい黄色または白、ヘルメットは赤が良いでしょう。
 リヤ―のループ(トップというか?)は、ボディーと接着する幅が50mmになるくらいにRをつけて曲げます。
そしてボディーに接着します。
 コックピットができ、ルーフが完全に接着したら、フロントウインド(B)のセルロイドをボディーに合わせながら曲げます。このウインドは実車でも大変むずかしいカーブなので、図のように点線のところを曲げて接着します。
ウインドの型は接着後、白のラッカーで縁取りをしたりして、型を現します。
4)ボディーカラーは、ルーフのアーチからリヤ―にかけて白、その他は紺ですが、フロントの帯は黒で白のラインが左右に入ります。
色の塗りわけは写真を参考にしてください。
 
再び上のページに移ります。
5)フロントの黒い部分はデカールを用い、まず白のデカールをはり、ふちの部分が細いラインになるよう、中央を黒で塗るとむずかしい白のラインを書かないですみます。
 また左右のパッシングランプのところまで白いラインがつづいているので、白ラッカーでデカールのラインの続きを書きたしてください。
再び左のページ中央に戻ります。
6)左右フェンダー上にある“GP−III ”のマークは、まずデカールに入っている白いラインを、図のような寸法の型に2枚切りぬいて貼ってください。
 このデカールがかわいたら、図の色で文字を書いてください。

再び上のページに移ります。
)リヤ―はエキゾーストパイプを含め、凹んだ部分を黒で塗ります。塗りあがったらフェンダーのフェールコック、エンジンを接着してください。

8)塗りあがったら茶漉しの細かい網を図の寸法に切り、フロントグリルに押しこんで接着してください。
 実車では黒に塗ってありましたが、そのままの方が感じが出るでしょう。
4だび左のページに戻ります。
9)ホイールキャップはスポーク以外を黒で塗りつぶすと感じが良くなり、立体的になります。
 さて、シャシーをボディーにビス止めし出来あがりました。5,500ccの“ローラT70”サーキットにてテストしたところ、直線でのスピードは抜群でしたが、コースに不慣れのせいもあって、実車同様にヘアピンではスピン続出、コントローラーを握っていた私は、そのスピンが大変楽しく感じられました。
 あなたのサーキットで日本グランプリを再現し、T−70優勝というのはいかがでしょうか!”
以上で、“いとしのローラ”60’sモデルカー・レーシング編 PART 2を終わらせていただきますが、なんとも時代を感じさせる改造記事ですが、それはそれなりに手塗りしかなかった時代でのトップ技術がここには書かれているわけで、当時どうしても書けなかった“GP−II ”やブリヂストンなどのマークなどは今でも書ける人を見ると素直に尊敬してしまう私がいるわけであります。



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26/NOVEMBER/1999 BY HIROFUMI MAKINO