THE MATRA OF FRANCE.  POWERED BY B.R.M 

TOP : At Le Mans's test day, MATRA M630 powered by B.R.M. in 1967.
(C) Photograph, modeling by Hirofumi Makino.
 マトラ ( MATRA )とはMATERIAL AERONAVTIQUE ET TRACTION の略称で、本来は航空機、ミサイル、人工衛星などの研究開発を行なっている大企業であります。したがってレースの世界ではまったくの新顔で、1964年の末頃、ジャン・ボネの工場を買収してスポーツ部門を発足させたのがそもそもの始まりでありました。ジャン・ボネとはル・マンなどにアルピーヌとともに小排気量のプロトタイプを走らせていたことで知られていましたので、それを丸ごと買取った事はまさに正解だったと言えます。
 1966年4月2日、恒例のル・マン テストディでついにそのベールを脱いだ“マトラM620”はマトラ初のプロトタイプスポーツであり、その心臓部には1500ccを1916ccにボアアップしたあのBRM F-1用V8エンジンが 搭載されていました。この2リッターV8エンジンは、当時グランプリドライバーであれば必ず出場していたタスマンシリーズ用に開発されたもので事実1965年にはこのエンジンを使ってあのジャッキー・スチュアートがシリーズで優勝している大変実績あるものでありました。
このルーカス・フェールインジェクション付き公称245hpのBRMエンジンは、当時の2リッタークラス最強と言われたポルシェカレラ6の210hp、ディーノ206の218hpを大きく引き離すものとしてル・マンの台風の目として大いに注目されていました。
テストディで2リッタークラスの最高タイムをマークするも、3台参加した本戦では2台リタイヤ、1台クラッシュという惨憺たる結果に終ってしまいました。
翌67年4月8日〜9日、再び舞台はル・マン テストディにおいてマトラは、ボディ・デザインを一新した“M630”を登場させました。同じくBRMのエンジンを搭載したこのM630は、ロビー・ウェーバーのドライブで快調にミュルサンヌストレート(昔はユーノディエール・ストレートとは呼ばないことが多かった)駆け抜けて行ったが突然コントロールを失いコース・アウトしてクラッシュ。ウェーバーは即死でマトラは本戦を前に不運な影を落とす事になりました。
ところでマトラはもう1台古いM620のシャーシにフォードV8 4700ccエンジンを積んだマシンも同時に持ち込んで積極的にテストするもタイム的に同じエンジンを載せたミラージュやフォードGT40に及ばず本戦出場は微妙な状態。
事実、本戦には3台の“M630”のみが参加し、フォードエンジン搭載車はF-1のMS10に引き継がれることとなりました。

(C) Photograph by Joe Honda.

TOP : Modifed to a 1967style "MATRA M630".
Modifed by Hirofumi Makino.
TOP : The V8 BRM engine in the Matra had the central exhaust system enclosed in an enormous duct, with fresh air inlets at front. At the rear is the alternator driven by belts from a pulley on the drive-shaft, and adove it is an air thermometer for test purposes.
(C) Photographs, modeling by Hirofumi Makino.
ABARTH OT 1300 

 1965年のトリノ・ショーにデビューしたアバルト OT1300は、それまで1300CC以下のチャンピオンシップをリードして来たアバルトの解答でありました。そして、期待通り1965年のグループ4のチャンピオンを死安する事に成功する。
そして、このル・マン テストディにも2台が参加してタイム的には36〜37位でありました。
シャーシはフィアット850のフロア・ユニットをベースとしたもので、直列4気筒DOHCエンジンは1289ccから10.6の圧縮比と2個のダブル・チョーク・ウェバー製キャブレターで138hpを発生し、同時期のアルピーヌやマルコスには驚異のライバル出現でありました。

TOP : ABARTH OT 1300 at '67 Le Mans ( AMR 1/43 model).
(C) Photograph, modeling by N.Y.


TOP : The cute's rear end of ABARTH.
(C) Photograph, modeling by N.Y.

TOP : Tetsu's HONDA S800 and ABARTH OT 1300s( #10 and #24) at NURBURGRING 500Km in 1967.
 上の写真は、我がTETSUが1967年ニュルブルクリンク500Kmレースにおいてル・マン式スタートで愛車ホンダS800をスタートさせて行くところであります。ライバルは赤いアバルトOT1300でした。TETSUは、このレースで1000cc以下クラス優勝するという離れ業を演じてくれました。
(C) Photogarph by Joe Honda.

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(C) Photograph by Joe Honda.
(C) Photograph, modeling by N.Y.