すべては“ロータス・エラン”から始まった!

 滝進太郎自身の著作「走れ!レースビジネス」にも書かれているが、滝のレース界へ導いたのは“ロータス・エラン”との出会いであったという。 そして、壁となった自動車メーカーファクトリーチームへの対抗意識も同時に生まれたと言っていいだろう。
 そして、浮谷東次郎が1965年船橋サーキットで開かれた「全日本クラブマンレース 通称 CCCレース」で“ロータス・レーシング・エラン”を駆って優勝したことも滝がレースにのめり込むきっかけとなったようだ。 浮谷の乗るレーシング・エランを見て自らのノーマル・エランの限界を知り、レーシング・エラン26Rに乗り換えますますレースの世界にのめり込んで行ったのはごく自然の成り行きだったようだ。

 
 当クラブメンバーで超絶モデラー“野上 稔”氏がタキ・レーシングチームというお題の回答として製作したのが下の「ロータス・エラン26R」である。
 記念すべき“タキ・レーシング・オーガニゼイション”としての第1歩を刻んだのはこのエランであった。
1967年11月のサンデージムカーナに滝自身でエントリーし参加している。 基本ボディとして氏が選んだのは、コグレ/バンダイ製 1/20スケール伝説のモデルである。 いとも簡単にノーマルなエランを26Rに改造しているようだが、ここまで作り上げるまでには現在入手可能な当時の資料写真などまずは集めることから始めなくてはならない。 そして、デカールの選定など我々には想像もつかない苦労が野上氏の模型作りには必要だという。 しかしこれでもまだ不満は残るという。 
 古い模型を出来る限り当時の良さを残しながらスケールモデルとして蘇らせる。 3Dプリンターで作り上げてしまう最近の模型は凄いかもしれないが、やはり手作りで作り上げるモデルカーは作者の情熱が伝わり見るものを感動させる力を持っている。 そんな野上氏のモデルカーたちに乾杯だ!
 

TOP : Lotus Racing Elan 26R with Shintaro Taki.
1/20scale Kogure/Bandai model.modefy.
(C) Photographs and modifyed built by Minoru Nogami

大一番だ!! 68年日本グランプリ---------

 1967年日本グランプリはなんとプライベート参加の“生沢 徹”のポルシェカレラ6がプリンス自動車を吸収合併した日産自動車の“ニッサンR380-II”を破り優勝した。まさにエポックメイキングな出来事であり、一躍 Tetsu Ikuzawa の名は日本中に轟いた。

 また、同レースに同じポルシェカレラ6で出場していた滝 進太郎は、同じくカレラ6で出場していた酒井 正とレース前に同じチームではないがニッサンに打ち勝つための秘策をTetsuも交えて話し合っていた。 しかしながら早々に後退していったニッサンチーム(高橋国光だけは必要にTetsuを追っていたが・・・)の影響で生沢&酒井は本気で争うこととなり、酒井クラッシュという最悪の結果となってしまった。 やはり自分のチームを持って監督としてチームオーダーを組まなくてはレースにならないと滝はこのレースで学んだのではないだろうか。

 そして、68年日本グランプリを迎える。
滝はまず中心となるドライバーをチームに招く。 チームの柱となってくれるドライバーとして選んだのはニッサンチームのベテラン“田中健二郎”であった。 彼の推薦でニッサンチームの将来有望な若手として“長谷見昌弘”、そしてホンダSなどで活躍していた“片平 浩”である。 
そして、この68年より世界的に人気レースとなっていた排気量無制限のレース“CAN-AM シリーズ”のグループ7規制が日本グランプリでも採用されることとなり、ローラT70などの2座席レーシングスポーツも大挙出場の予想もあり、大排気量にも強い“酒井 正”もメンバー入りとなる。
 しかし、滝はスポンサーを多く獲得するためにはメンバーにスターがいなくてはならないと感じていた。
そんな時、滝に日本グランプリだけのスポット契約を持ちかけて来たのはあの“生沢 徹”であった。
ここで両者の思惑が一致した。 タキ・レーシングのTetsuが誕生したのだ。
 

TOP : Tamiya's 1/12scale #28 Porsche 910.
Built & Modifyed by Takehiko Sudo.


TOP : Marsh models 1/43scale LolaT70MKIII.
Built & modefy by Masayuki Yamada.
1/12scale #16 Porsche 910.
Built by Minoru Nogami.


TOP : 1/32scale Slotcar style #26 LolaT70MKIII & #28 Porsche910.
1/32 scale Lola of Thuder slot models.
Built by Takehiko Sudo.


TOP : Leftside 1/24scale #25 LolaT70MKIII driven by M.Hasemi .
Right side #27 LolaT70MKII driven by T.Sakai.


TOP : 1/32scale #29 Porsche 906.
Built by Takehiko Sudo.




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(C) Photographs by Hirofumi Makino.