遂に始動 !!
69' McLaren Toyota 復活プロジェクト !!
第1報
                                    Provider by Shigeru Miyano
 
 
TOP : 1/24scale McLaren Toyota.
(C) Built and photographs by Hirofumi Makino
McLaren Toyota 復活 !!

 「燃費ギネス男」として有名な”宮野 滋”氏より “McLaren Toyota” 復活プロジェクトがニュージーランドで行われているという情報を伺っていたのだが、遂にその実態を把握することが出来た。
以前当ウェブサイトにおいて、やはり宮野氏より情報を提供して頂いた「ミノルタ・マクラーレン回帰」および「インディ・ジョーンズ 失われたM12」により、1972年まで富士GCで活躍していた酒井レーシングの2台の “マクラーレンM12” のその後について知ることが出来た。 しかし、ニュージーランドの"Group7 Ltd を率いる Mr.Tony Roberts と Mr.Duncan Fox の最終的な目的は “ミノルタ・マクラーレン” 復活ではなかったのだ。 1969年にトロージャン社(マクラーレンのプロダクションモデルを製作する会社)よりトヨタ自工に納入したシャーシナンバー"4"が同年の日本CanAmレースにトヨタエンジンを積んで参戦した "McLaren Toyota" を復活させることだったのだ。

ご存知の通り、チーム・トヨタが日本CanAmに出場させた"McLaren Toyota" はその後転売されて最後は酒井レーシングの元でミノルタ・マクラーレンとしてレースを終えている同じ車体である。

 しかし、問題はトヨタ7用の5リッターエンジンだった。 それが手に入らなければ絶対に復活などありえないことだった。
 ところがその最大の問題点がいとも簡単に・・・・・。
 
ドン・ニコルズとトヨタ7用5リッターエンジン

 今から47年前の1970年、「AVSシャドウにトヨタ7用5リッターエンジンを搭載しCanAmに出場か?!」という当時のモータースポーツ誌などに憶測ながら記載れていたと記憶するのだが、ご記憶おありだろうか?! 
しかし、その裏づけ確認も取れぬままいつしかその噂は最初からなかったかのように遠い彼方に消えていった。

余談だが当時、チーム・トヨタを離れてアメリカンレース武者修行中だった “鮒子田 寛”氏もシャドウのテストに参加したことがあった。これは“AVSシャドウ”の総帥で日本ファイアストンなどを統括していたドン・ニコルズ氏の紹介での参加である。

 トヨタ7用の5リッターV8エンジンがシャドウチームに渡った確かな証拠はないが、それを想像させる文章が存在する。それは、1970年発売のオートテクニック誌の8月号から10月号までの3回連載された 「AVS のメカニックとなって」 の中にある。 日本人メカニックとして初めてCanAmシリーズに参加した “手島則親” 氏が当時のAVSシャドウチームに所属した期間の出来事を書いたものである。
下記の内容はその中のほんの一部のコメントであるが、確かにシャドウチームにトヨタエンジンは存在していたのではないかと想像させるコメントがあった。 この時、シャドウ・チームは1970年CanAmシリーズに緒戦から参加していたのだが、第3戦ワトキンスグレンに移動中にマシンを積んだトレーラーが自動車事故に遭い、マシンは全損し2号車を製作するためにカルフォルニアに戻ったところからのコメントである。
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1970年10月号 「AVSのメカニックとなって  AVSの完成と再出発」

 7月12日の早朝2時頃、カリフォルニアのサンタナに着いた。さっそく翌日からニューマシンの製作に取りかかる。数日間をついやして、セントジョビトでのレースのトラブルを再検討し、その対策について十分話しあった。
 まず、エンジンは初め “日本製” のものを使うとの話しもあったけど、結局元のシェビー427を使用することが決まった。
(以下省略)

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 上記のコメントの中での “日本製”のエンジンを使う・・・。 これは何を意味するのだろうか?!
 
カルフォルニア工場にあった “タイムカプセル” !?

 ご存知 “宮野 滋”氏よりマクラーレン・トヨタ復活プロジェクトの情報を頂いたのが、2016年半ば頃であった。 そして、何よりも驚いたのはカリフォルニアの工場(あのAVSシャドウチームの工場がまだあるのだろうか?!)においてあのトヨタ7用5リッターエンジンがみつかったというのだ!下記の写真がそのタイムカプセルそのものである!当時の噂は本当だったのだ!!
 そして、ミノルタ・マクラーレンをレストアした “グループ7Ltd” のダンカン・フォックス氏がそれを譲り受け、いよいよ最終目標である“マクラーレン・トヨタ復活プロジェクト” が始動することとなった。
ダンカン・フォックス氏はマクラーレン・トヨタについて下記のようにコメントしている。

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 1998年、私の友人で日本人の医者であり、また歴史的な車愛好家の宮野繁の仲介により、30年ほどレストランに展示されていたマクラーレンM12を購入することができました。それは、トヨタ自動車の研究開発車両として日本に本来輸入されたもので、真のタイムマシンでした。私たちがそのM12を1972年まで酒井 正によってドライブされていたM12と同じ仕様のBig Block Chevroletエンジンを装備しレストアしました。
しかし、トヨタの5リッターエンジンを購入し、1969年日本CanAmでドライブした状態に戻すのが私の本来の目的でした。しかし、それは望んでいるよりも難しく挫折しました。トヨタエンジンがどれほど稀であるか私にはかわかりませんでした。 トヨタに相談しても余裕がないと言われ断られました。
ところが2015年、私はカリフォルニアの倉庫にエンジンが見つかったとの噂を聞きました。 それは1969年にダイノーテストを受け、Mk 1 Shadow CanAm で使用することが目的でした。 しかし、それはB / B Chevのパフォーマンスと一致せず、脇に置かれたまま結局使用されませんでした。
45年の年月を経て、私はそれを購入しました。私は、マクレーレン・トヨタがこれまでに組み立てられた最も美しいマクラーレンの1つであると考えています。
この車を復元すること、私の夢は現実になっています。


                                                           ダンカン・ フォックス

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 なお、酒井 正 が駆り1971年富士GC初代チャンピオンとなったマクラーレンM12はマクラーレン・トヨタの母体となるために消えることになるのだが、フォックス氏は新たな “M12” を用意しミノルタ・マクラーレンを復元するつもりだと語っている。
 トヨタエンジンが稼動してマクラーレン・トヨタが動く姿を早く見たい!出来れば日本で走る姿を見てみたいものである。
 この場を借りて素晴らしい情報を教えて頂いた宮野氏にお礼を申し上げたい。
 
 
TOP : The visionary 69'Toyota 7 DOHC V 8 5000 cc engine existed in the USA

TOP : They are now working to restore McLaren Toyota (McLaren M12/04)



TOP :Sakai Racing Team's McLaren M12/04 was McLaren Toyota itself !!
Special thanks Mr.Shigeru Miyano and Mr.Duncan Fox.

1969年 McLaren Toyota からニュージーランドに渡るまでの軌跡


そして、もう一台のMcLaren M12も因果な運命を辿っていた。


END

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Special thanks Shigeru Miyano and Duncan Fox.