(C) Photograph by Masayuki Yamada.

 今回「2010年グッドウッド フェスティバル オブ スピード」のレポートを書いて頂いた山田雅之氏は、「くるま村の少年たち」の創設以来の協力者であります。過去には、1/12スケールの「1967 LOLA T70 MKIII ル・マン テストディ」モデルの製作、「シャパラル・ツァー」「モントレー・ヒストリックカーレース」レポートなど大変素晴らしく、また非常に興味ある内容を掲載して頂きました。
今回のレポートもそれらに勝るとも劣らない大変興味ある内容でそれらの写真を見て思わず見入ってしまいました。お忙しい中、レポートを書いて頂いた山田氏にこの場を借りてお礼を申し上げます。
では、山田氏のレポートを御紹介したいと思います。

 初めに 

 くるま村の少年たちをご覧の皆様こんにちは。気が付いたらいつも模型を作っている困った大人の山田でございます。去る7月2日〜4日にグッドウッドフェスティバルオブスピードへ行って参りました。編集長からページを頂きましたので、レポートを書かせて頂きます。

 グッドウッドと言うのは、イギリスの田舎町の地名で、かつてTT(ツーリスト・トロフィー)レースが行われ、あのフェラーリ250GTOやロータス30が走ったサーキットの有る土地です。田舎町で、大きなホテルなどは現在もなく、大抵の旅行者は近隣のポーツマスと言う港町に宿泊します。
 イベント自体は1990年代から始まったもので、ロールスロイスの工場の向かいの荘園を持っていたマーチ卿が「うちの庭でヒストリックカーを走らせてはどうか?」と思い立ったのが起源と言われています。しかしそこはF1チームの本拠地が幾つも有り、往年の名ドライバーも多数居住しているお国柄(?)か、現役、OBを問わず多数の有名選手がイベントに出場し、その人気は年を追うごとに膨れ上がり、近年ではその人気を少しは抑えようと、主催者が入場料を上げ、人出をコントロールするほどになりました。しかし、さすがは領主と言うべきか、駐車場代は何日使ってもイベント中はタダなのです。
他のヒストリックカーイベントと比較すると、以下の点が特徴的です。

(1) ヒルクライム形式である。これにより、出場車を1台1台カメラに収められます。 

(2) 招待制である。マーチ卿からの招待状がないと、グッドウッドには出られません。故に、招待状が届いたコレクターは、コレクターとしてお墨付きを頂いたようなものだというならわしと言いましょうか、そういう風土があるようです。

(3) モニュメントを作る。その年のテーマが定められている所などは、他のイベント同様ですが、グッドウッドハウス(マーチ卿のお屋敷)の前に毎年テーマにちなんだ、壮大なモニュメントが作られます。ちなみに今年のテーマはアルファロメオの100周年で、戦前のP2グランプリカーと最新の8Cのモニュメントが作られていました。
 

 出場車のジャンルは実に様々で、戦前の車、ルマン、グループC、F1、WRC、コンセプトカーと実にバラエティに富み、車が好きな人は、何らかのお気に入りのジャンルの車に出会える筈ですが、今回はその中から、「くるま村の少年たち」ジャンルの出場車をチョイスしてお届けしたいと思います。
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(C)Photographs, textreports by Masayuki Yamada.