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THE '60s LE MANS TEST DAY 
1966 
哀愁の'60sル・マン テストディ 
1966年
センセーションを巻き起こした“フォード J カー”を考察する!

TOP : The FORD "J" CAR. at a Riverside speedway.
It was a glamourous body that it had a top time at a Lemans testday in 1966.
フォード J カーの登場!!
 1965年12月13日、デトロイトでの恒例のフォード社パーティにおいて1台のプロトタイプが発表されました。
実物大のクレイ・モデルながら「フォードGTP」と名づけられたこの車は、見るもの全てを釘ずけにさせるほど強烈なインパクトを与えたのでした。 
このモデルこそ、翌1966年ル・マンを制覇すべくフォード自らが設計開発したフェラーリ・イーターそのものでありました。その後「Jカー」といわれることとなったこのニューカーは、1965年のUSRRCチャンピオンシップやナッソー・スピードウィークなどで活躍した「フォードGTX」やル・マンでのフォードGTプロトタイプの発展型と言っても良いでしょう。
そして、フォード“J”カーが本当の意味でのワークス・カ―たるゆえんは、コブラ(ACカーズ&シェルビーアメリカンでの製作)やフォードGTのような間接的な設計開発と違い、自ら陣頭指揮をとり、カークラフト社(フォードGTXなどを開発したロイ・ランが主任デザイナー)で開発したからでありました。
この車の一番の特徴としては、そのシャーシーにあります。アルミニウム・ハニカム板(ダンボール断面のような構造を持つアルミ板)で構成されたツイン・チューブを主構造とした航空機式の画期的なモノコック・シャーシーだったからです。 これにより1966年に同時に開発されていた7000cc「フォードMKII」よりも約300Kg以上も軽い770Kg(プレス発表時のデータによる)に押さえることに成功しています。
そして、もう1つの特徴として、1965年、フォードGTXにより開発が進められていた“オートマチック・トランスミッション”の採用でした。これはフォード製2速オートマチックで“チャパラル”のものよりも見ためがかなり大きく、まだまだ開発途上のようでありました。
プレス発表では、1966年3月26日のマニファクチャラーズ・チャンピオンシップ第2戦「セブリング12時間レース」に出場するとアナウンスされていましたが間に合わず、その姿を初めて現したのは恒例の「ル・マン テストディ」でありました。

TOP : FORD STYLISTS followed design dictates imposed by rules for "J"class cars.
A category for prototypes differing in some respects from GT cars.

TOP : PEAK SPEED of 250 mph from the 427-cu.in.engine is the Ford J-car goal.
Suspension is almost current Formula I design.
The transmission is a 2-speed automatic.-a torqua converter with planetary gears.
Brakes are Girling-Ford combination.
遂に本気を出してきたフォード!!
 1965年、ル・マン テストディに合わせてニュープロトタイプ“330P-2”を登場させ、トップタイムをマークし、センセーションを巻き起こしたスクーデリア・フェラーリは、今年のテストディは諸般の事情で不参加でありました。
 そんな中鳴り物入りで初登場したのは、フォードのスーパー・ウェポン“J”カーでありました。
そして、その年のル・マンで勝利することとなるクリス・エモン、ブルース・マクラーレンとのコンビでのタイム・トライアルは、まさに圧巻でありました。

TOP : The Time Attack !! Bruce McLaren and his a Ford "J" car.

 余談でありますが、このフォード“J”カーのスタイリングは、翌1967年に登場するあの“チャパラル2F”にも少なからず影響を与えたのではないかと想像出来ます。
この1966年4月2〜3日に行われた「ル・マン テストディ」にフォードは、“J”カーの他に、ホルマン&ムーディとシェルビー・アメリカンからそれぞれ1台つづの“MKII”も持って来ており、フォードの本気を感じずにはいられません。
しかし、フォードが快調にテストをこなしている中で、不幸な出来事が雨の中での走行だった第1日目の朝に起こってしまったのです。
ホルマン&ムーディ・チームのMKIIで走行中だった“ウォルト・ハンスゲン”が濡れた路面での最高タイム3分48秒6を記録した直後のストレートからダンロップ・ブリッジの間でコントロールを失い、コースから外れ砂壁に激突大破してしまったのでした。その後ハンスゲンは病院で息を引き取り、フォードは貴重なドライバーを失う事となりました。
また、当時のオートスポーツ誌やCAR MAGAZINE誌ではなぜかこの事故をフォードJカーの事故と報じておりますが、実際にはMKIIでの事故というのが真実であります。

1966 Le Mans Test Day Results ( Best 10/15)
Place
Driver
Machine
Time
1st
Chris Amon
Ford J car
3'34"4
2nd
Ken Miles
Ford MKII
3'36"0
3rd
Jackie Stewart
Ford GT40
3'38"6
4th
Sir John Witmore
Ford GT40
3'40"3
5th
Bulis
Ferrari P2
3'41"6
6th
Guy Ligier
Ford GT40
3'41"9
7th
Skip Scott
Ford GT40
3'43"0
8th
H.Muller
Ford GT40
3'43"4
9th
Walt Hansgen
Ford MKII
3'48"5
10th
Joe Schlesser
Matra BRM
3'52"5
11th
Peter Nocker
Porsche Carrera 6
3'58"3

 
 
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